華鬼‐終焉と希望の華‐

□第二章 鬼ヶ里
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雪がちらつく寒い日。

とうとう刹那は16歳になった。

まだ、入学式まで時間はかなりあるがそんなことは関係ない。

日付が変わり朝を迎えたら鬼ヶ里に行かなければならない。

別に行くのが嫌だという訳ではない。

幼い日から自分が鬼の花嫁である事実を知らされていたから忠尚の花嫁たちが泣きわめいて暴れる理由が分からなかった。

でも、誕生日を迎えて分かった。

普通の花嫁は自分が鬼の花嫁である事を知らないのだ。

高校に通い新しい友達もできて好きな人もできる。

もしかしたら彼氏がいたりするのかもしれない。

でも、鬼の花嫁として生まれてしまった為にそんな普通の生活も送れないのだ。

刻印を刻んだ鬼が強ければ花嫁の芳香も強くなり男を無意識に誘惑してしまう。

常に危険にさらされるのだ。


怖い思いをした事もあったかもしれない。

さらに衝撃的な事実を知らされるのだから暴れたくもなるだろう。

でも、刹那は自分の鬼に会うことをとても楽しみにしていた。

やっと、会えるのだ。
迎に来てくれるのだ。

本を読みながら響が送ってきた入学式の写真を見る。

響は刹那より一つ上の学年だ。
だから入学式の日にわざわざ写真を撮り送ってきてくれたのだ。
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