華鬼-舞い散る華の如く-
□16回目の誕生日
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車は住宅地から高速道路にのり景色は先程から変わらない。
車内は静かで誰も喋らない。
それにしびれを切らしたのか光明が2人に話しかけた。
「2人は、何か聞きたいこととか知りたいこととかないんか?」
その問に神無が反応する。
「私達、そう訊いた方がいい?」
その言葉を聞いた途端、光明は手で顔を覆い呟くように言った。
「こんなになるまでほっとくなんて…女はな、愛でて育てるもんじゃ。それをあいつは怠りおった」
指の間から覗く瞳は黄金色。
それを見た瞬間、神無が怯えて桜咲にしがみつく。
ため息をついて光明を睨みつける。
「神無が怯えるからその殺気やめてもらえない?」
我に返ったように神無をみて光明は慌て始める。
「す、すまん!神無ちゃんや桜咲ちゃんに危害を加えるつもりなんかないんや!本当にすまん!」
そう言って反対側のドアに張り付き縮こまる。