生贄の花嫁U

□ミニミニパニック
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今夜は逆巻家のお父さんが決めた、晩餐の日。

性格に難がありまくりの兄弟のお父さん。

今まで一度も会ったことはないけれど…。おそらくとんでもない人物であることは簡単に予想できる。

………。
なんだか会いたくなくなってきたな…。

それにしてもそんな兄弟たちが珍しく全員揃ってテーブルについている。

め、珍しい…。

ついこの異様な光景を見つめてしまう。

「なんだよ、チチナシ。」

「ん!?いや、別にな、なんでもないよ。」

「嘘つくなって。血、吸って欲しいんじゃねぇの?」

「違いますっ!」

「えー!アヤトくんずるいなぁ!僕も混ぜてー!」

「ちょ、ライトくん!?」

なに便乗してるの!!

「あなた達、そう言うことは自分の部屋でなさってください。」

レイジさん!

「おい何すんだよ!この七三メガネ!!」

「黙りなさい!そして私は七三ではありませんと何度言えば良いのですか!」

レイジさんはアヤトくんの首根っこをまるで猫を掴んでいるかのように持ち、イスに戻す。

スゴいな…レイジさん。
さすがオカン…。

「あなた。今なにか物凄く失礼な事を考えませんでしたか?」

「いえ!何も考えてませんよ!」

エスパー!?
レイジさんエスパー!?
ビックリした…。

「まぁいいでしょう。早くしなければ折角の料理も覚めてしまいますし。」

そう、レイジさんがいい、私たちはそれぞれの食事に手をつけた。

「ん……っ!?」

舌先を駆け抜ける訳の分からない感覚。

「おい、レイジ…!てめぇ何入れやがった…!!」

「なんなんですか!これは…っ!!」

「う…。味付け間違えた…ってレベルじゃないね…。」

「ぐ…。」

「うぐ…。」

「私にもよく…!まさか…実験中の毒が…!?」

毒!?

その言葉の意味を考える間もなく、私は気を失ってしまった。
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