シンフォニア

□待ち人の帰還
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「会いたかったぜー! リレイヌちゅわーん!」

姿を見せて早々、ゼロスさんが両腕を広げ近づいてきた。明らかに抱きつく体制の彼に「お?」と目を瞬けば、共にしいなさんの鉄拳が、彼の真っ赤な頭に突き刺さる。かなり痛そうな音がしたが、はて、大丈夫だろうか……。心配しつつも、声は出さない。

「いってぇ! なにすんだよしいな!!」

「うるさい! 誰彼構わず手ぇ出そうとするんじゃないよ! リレイヌだって困ってんだろ!」

「そんなことないって! なあ! リレイヌちゃん!」

「えーっと……」

そこで巻き込まないでもらいたいものだ。苦笑を浮かべれば、「ひ、久しぶり! 二人とも!」と元気な声がかけられる。振り向けば、なぜか気恥ずかしそうなジーニアスくんがいた。彼は私とミトスくんを見比べると、元気だったかを問うてくる。それに頷きを返せば、ジーニアスくんは安心したように微笑んだ。

「良かったぁ。二人になにかあったらと思うと、気が気じゃなかったよ」

「……大袈裟じゃない?」

「そんなことないよ! ミトスは同族ではじめての友達だし、リレイヌはた、大切な仲間だし……」

えへへ、と笑ったジーニアスくんは、そこで「あ! そうそう!」となにかを思い出したようだ。振り返るように己の背後に目をやると、「二人に紹介したい人がいるんだ!」と元気よく告げた。

「僕の友達のコレット! 今までは訳あって話せなかったけど、やっと話せるようになったんだ!」

「よろしくね、二人とも!」

言って、にこにこと笑うのは金髪の少女であった。天使と言われても疑いようがない程、穏和な雰囲気を醸し出している彼女に私たちも挨拶。よろしくと、互いに握手を交わす(ミトスくんは若干戸惑っていた)。

「二人を送り返すのは明日ってことになったから、よかったらいろいろ話さない? 僕、君たちともっと仲良くなりたいんだ!」

「あ、俺も俺も!」

「私も二人とお話したいな!」

わいわいと騒ぎだしたジーニアスくんたちに、私は「楽しそうですね」と一言。擦り付けるようにミトスくんに顔を向け、「お話だそうですよ」と声をかける。

「え、あー、まあ……いいんじゃない?」

返されたのは曖昧でありながらも肯定の意を込めた返答。ジーニアスくんたちはその答えに、はしゃぐように喜んでいた。
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