夢小説
□―a Share―1巻全18P
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序章
血まみれの指先に
砕いた夢のかけら
突き刺してひとつ、そして又、ひとつ
あの性悪なセイレーンの羽音は
今でもお前の耳に囁いているのか
みすぼらしい魂の器よ、ほら、お取り!
これはお前の
――わけまえ――
こんな荒涼として、
救いようも無い 風景の中
訳知り顔の闇の兆しが、ゆらゆらとひとつ、又ひとつ
お前の胸をえぐっては逃げていく
セイレーンの羽音が聞こえる!
ほら、手を伸ばしてお取りよ
―――私の命の―― ”わけまえ”