ブラコンshort

□甘えん坊まーくん
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雅臣さんの様子がおかしいと気づいたのは昨日の事だった。
いつものんびりしている雅臣さんの事だから、仕事で疲れてボーッとしているのかと思って心配はしていたけどそこまで気には止めなかった。でも、明らかにこれはおかしい。



雅「…ゴホッゴホッ…うっ…!」

「…雅臣さん。」

雅「ど、どうかした?」

「それ、絶対風邪ですよね。」

雅「………うん。」



休日の、珍しく雅臣さんがお休みの日。朝食の時間にはちょっと遅い時間に起きてきた雅臣さんはひどい席をしていた。顔も赤くてとても辛そうだ。あぁもうどうして昨日の私は彼を送り出してしまったのだろうか。風邪が酷くなったのは私のせいじゃないか。そんな私の視線に気づいた彼と目が会い、弱々しく笑ったのを見た瞬間ダメだった。



「雅臣さん今日は私があなたを看病します!」

雅「え、名前ちゃんっ…ゴホッ…!」



そう叫んだ私に何人か兄弟に見られた気がするけど気にしない。今の私には最優先事項があるのだ。
…ということで(戸惑っている雅臣さんは置いといて)、とりあえずヨロヨロしている彼の体を支えながらなんとかして部屋まで運びました。あんまり体重かけないようにしてくれてたからちょっと悲しかったけど。(私はそこまでひ弱じゃないやい!)そして身体をゆっくりとベッドに横たわらせて一息つく。



雅「ごめんね、ちふゆちゃん…」

「どうして謝るんですか?むしろ謝るのは私の方ですよ、雅臣さんの風邪悪化させたの私みたいなものですから。」

雅「えっ…?」

「それより、こういう時ぐらい頼ってください。さっきまで1人で治そうとしてたでしょう?」



私がそういうと困ったように笑う雅臣さん。やっぱりそうだ。あのまま私が何も言わなかったら1人で治す気だったんだな。今日は家に右京さんもいないし、私がしっかりしなくちゃ。普段お世話になってる分ここで返さなくてどうする名前!きっとそう言ったら雅臣さんは遠慮するだろうから口には出さないけど。



雅「痛いとこ突くなぁ…はは…」


「病人は寝ているのが一番ですっ!右京さんがいなくても家のことは私が何とかしますから、安心してください。じゃあ氷枕持ってきますから、眠かったら寝ててくださいね」

雅「うん…ありがとう…」



照れるのを隠すようにしながら私は部屋を出た。
リビングに向かうとご在宅の兄弟たちが私の方に振り向く。



弥「お姉ちゃんまーくんは!?大丈夫!?」

「雅臣さんね、高い熱があるみたいなの。でも、たくさん寝てたくさん休めば治ると思うから、今日は雅臣さんのところに行くのは止めようね」

弥「うんわかった。まーくん元気になってほしいもん!」

「弥くんはいい子だ!」



頭を優しくなでなでしてあげると嬉しそうに微笑む弥くん。よし、今日1日弥くんからもらった癒やしパワーでがんばるぞっ!




――――…




氷枕や飲み物その他色々を両手に抱えて部屋に戻ると、寝息を立てていた。ただやっぱり苦しそう。ほっぺも赤いし席も酷い。持ってきた氷枕を頭の後ろに置いて汗を拭いて。寒そうだったからもう一枚布団を足した。



「ふぅ…。」

雅「あ…名前ちゃ…」



ゆっくりと目を開けて私の姿を映す。風邪により生理的な涙が目に浮かんでいるのは気のせいではない。…ちょっとエロいです。



雅「…どれくらい寝てた…?」

「1時間ぐらいですよ。そんな寝てません」

雅「そっか…ゴホッ…」

「あ、蜂蜜生姜持ってきたので飲んでください。喉にいいですから。」



起きあがろうとする雅臣さんの背中を支えてコップを渡すと、ゆっくり飲んでくれた。はい、と渡されたコップを受け取って再び横になる。



雅「弥は何か言ってた?」




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