ブラコンshort

□あなたの寝顔守り隊っ!
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風「………ふーん。まぁいいけど。」



少々間があったのが気になったけど、彼はそのままさっきのように腕を枕にして寝始めてしまった。
あ…寝ちゃった…。何だったんだろ今の…。
まだどくどく高鳴ってる胸を片手で抑えて鎮めようとする。



「ふぅ…。」



いきなり話しかけられたからびっくりした―。なんとなく顔が熱い。
それもそうか。アイドルで、しかも好きな人に話しかけられれば。

なーんて余韻に浸っていたら。



「あ、風斗くんだぁー!」



いかにも声変えてますよ的な高くて甘い声が聞こえてきた。そっちの方に目をやると、ケバい化粧をしたギャルっぽい女の子が風斗くんに向かって話しかけている。
苦手な感じの女の子だ。
その子は彼が寝ているにも関わらず、声をかけて起こしている。



「風斗くんー。起きてよぉー!せっかく学校来てるんだし、一緒に喋ろうよぉー!」



間延びしたようなしゃべり方。彼が中々起きないことを悟ると、今度は肩を揺さぶりだした。




「風斗くんってばぁー!」



気持ちよさそうに寝てるんだから寝かせてあげればいいのに。仕事が忙しくて寝てないし(さっき本人が言ってたのを引用)、それに学校来てまでアイドルとして見られるって相当疲れることなんじゃ…。
風斗くんのまゆが寄ってる気がする。

…あぁ。彼が私の好きな人じゃなければ、こんなことしないんだけどな。



「あの、寝かせてあげてくれませんか?」



同級生相手に敬語になるのもおかしいけど、ちゃんと伝えようと思ったらこうなった。



「は?」



案の定ギャルのひんしゅくを買ってしまった。端から見たら私がケンカ売ってるようにしか見えないよね、これ。

眉を釣り上げて私を凝視する彼女。
そんな睨まれても私正論いいましたよねっ!?



「仕事で疲れてると思うんです…だからそっとしといた方が…。」

「何言ってんのあんた。バカじゃない。風斗はね、私とお喋りしてた方が仕事の疲れが取れるんだよ!」




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