うたプリshort
□なっちゃんと私のくっきんぐ。
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那「名前ちゃんみーつけたぁ!」
「うわぁっ!?なっちゃん!?」
那「ぴんぽーん正解です!やっぱり僕だってバレちゃいましたかー」
「そりゃあバレるよ!私に抱きついてくるのなっちゃんぐらいしかいないもん。」
背中から抱きついてくるのはなっちゃんしかいないなぁ。しかもまんま声で分かるし。あ、でも抱きついてくるのは音也もか。彼の場合は目があったら最後タックルをするかのように腹に腕が延びてくる。でも締め付け具合はなっちゃんには勝てないな。力加減をしてくれているのだろうけど意味をなしていない。現に今肺が潰れて酸素不足だ。
「な、なっちゃんっ…もう少し、力緩めてっ…!」
那「ああっ、名前ちゃん顔が真っ青ですっ!どうしたんですかぁっ!」
腹の締め付けがなくなったと思ったら次は肩を捕まれてガクガクと前後に揺さぶられる。わあ、さすがなっちゃん。このままいったらとてもじゃないけど首がもげそうだよ!首回りの関節がボキボキいってるぅぅぅっ!!
「ななな、なっちゃん!わわたしはだいじょーぶぶだから!」
那「本当ですか!?」
「うん、本当。」
ハッとしたように私の目を見つめてから再びハグされた。今度は正面からね。うーんこれだとさっきと変わらないような気がするけどまぁいっか。なっちゃん幸せそうだし。しっかりとホールドしているなっちゃんを見るとニコッと私に笑いかけてくれる。なっちゃんの笑みにはマイナスイオンでもあるのだろうか。今のですごく癒されたよ。そういえばさっきなっちゃんに呼ばれた気がしたな。何かあったんだろうか。
「ねぇなっちゃん。私のこと呼んでたよね?用事でもあったの?」
那「そうです!実は名前ちゃんに相談したいことがあったんですよぉ〜!」
「なになに?」
那「この間、僕の曲を作ってくれた名前ちゃんにお礼の気持ちを込めてお菓子を作りたいんですっ!」
「っ!!!お、かしっ……!?」
ピシッと音がするかのように固まった身体。瞬きもせずになっちゃんの顔を凝視するも、彼はそんな私をスルーしてにこにことかわいい笑顔を浮かべながら先を続けた。
那「はいっ!あの曲とっても素敵で僕のお気に入りの曲になりました!何かお礼をしたいなって。だから名前ちゃんの好きなお菓子を作りますから、教えてくださいっ!」
キュンッとするようなとびきりの笑顔でそう言い切ったなっちゃんに、私は恐怖を覚えるしかなかった。なっちゃんの料理の腕前は皆さんご承知の通りだろう。彼は殺人級の料理人なのだ(読んで字のごとく)。食べた瞬間それは体内に広がり咀嚼者を咀嚼してしまうかのごとく永遠の眠りに着かせてしまう。(結果翔ちゃんはこの間気絶して半日目を覚まさなかったのだ。)なっちゃんが悪いんじゃないのは分かっている。純粋にお礼がしたいのだろうけど私には大きすぎる代償が伴う。なにも言わない私をなっちゃんが不安そうな目で見る。伏せられた顔に悲しそうな目、「やっぱりダメですか…。」ショボンと落ち込んでしまった彼。こんな姿を見て私は鬼にはなれないわっ!!!
「違うんだよなっちゃん!作るのはいいの!作るのはいいんだけどっ…別の人にあげないっ?」
那「別の人っ…?」
「そ、そうっ!私と一緒にお菓子を作って、誰かにプレゼントしようよっ!」
那「でもそしたら名前ちゃんの分が…」
「いーのっ!私はなっちゃんと一緒に何かを作るっていう時間を過ごせるだけで嬉しいの!だから一緒にやろう?それで、誰か(犠牲者)にあげようよ!」