黒バスshort
□とある昼休み。2
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「(キセキくんたちはみんな妙にタイミングが良いからなぁ…。)」
青「授業終わったばっかりだってのに。さては逃げたな…」
ギランッと光ったその目はまさにライオンがシマウマを狩るかのごとく鋭い目つきをしていた。
「(ここで捕まったら確実に(色んな意味で)ヤられるっ…!!)」
青峰くんから逃げるにはどうすればいいか方法を考えないと。彼に見つかったらきっと逃げ切ることはできないだろう。バスケ部のエースなのだから。でもこのままここで去るのを待ってるのもなー…。
なんて思っていた時に彼は近くにあった教室の戸を開けて女の子に話しかけた。
青「なぁなぁ、名前知らねぇ?」
♀「え、青峰くんっ?名前…?」
正真正銘のバカでしょ青峰くん。他クラスの女の子に聞いたってわかるはずないでしょうに!それにその子たぶん私のこと分からないと思うし第一あなたを見て軽く青ざめてますよ。ヤンチャで有名だからだろうね。あとであの子には謝りに行こう。
あだ名がガングロバカに決定しました。
青「こう胸がでかくてよ、ほどほどに肉が付いてるやつなんだけどさ」
♀「む、胸…?」
青「そうそう。顔は結構純粋そうで真っ白な雰囲気してんのに胸が良い感じに出てるやつ。見なかったか?」
「(こんの変態ガングロスケベがぁぁああああっ!!!!!)」
きっとあの可愛い子の脳内はグラマラスなセクシーお姉さんがいることだろう。っつーかそんなでかいでかい連呼するほどでもないし第一私の特徴はそこしかないのか!?(そこしか見てないの間違いか。)
とりあえず一刻も早くここから離れたい。このタイミングで奴に見つかったら最悪だ。でも方法がー…
紫「峰ちーんこんなとこでなにやってんのー?」
青「なんだオマエかよ」
「(次は紫原くんか…!)」
もぐもぐと腕の中にたくさんあるお菓子の中からクッキーを取り出して食べている。そしてその食べかすが青峰くんの頭に落ちているのに気づいたのはあの女の子と私だけだ。
青「名前のことクラスに迎え行ったらいなかったんだよ。だから探しに来たわけ。」
紫「あの峰ちんがそんなめんどくさいことするんだねー」
青「あぁ?ってかここにいるオマエだってそうだろうが」
♀「あ、あの…」
紫「オレはこれから見つけにいくとこだったの。名前ちんの匂いするし。」
「(に、匂い…だと…!?)」
青「へぇーどんな匂いなんだよ」
紫「甘そうで、溶けそうで、チョコみたいなおいしい匂い〜」
匂いで私のこと見つけられるなんて犬かお前は!!だからまたに頭かじられてるんだな…。こんどくさやでものっけとこう。
青「んで?名前の匂いはどっからしてんだよ」
紫「あっちの階段の上の方から。今二階にいるんじゃない」
青「そうと決まりゃ行くしかねぇな!行くぞ紫原っ」
紫「言われなくても分かってるし〜」
♀「あっ……!」
そしてあの二人は私が元来た道を辿って上に向かっていった。あの女の子を置いて。せめて一言いえばよかったのに…!
まぁでも邪魔者は消えた!こっから先はダッシュして一気にたどり着いてやるっ!
「よし周りにキセキはいないな…。」
確認した私は颯爽と廊下を走り、次のステージの大きな食堂に着いた。昼休みの影響があってたくさんの生徒で溢れている。賑やかでみんな楽しそうだ。そしてご飯が美味しそう。
これだけ人がいれば見つかる必要もないし、人波を良ければすぐにたどり着くだろう。
待っててねさつき。今から行くからっ…!
よし、と手に力を入れ直して一歩前に進むとドンッと何かにぶつかった。食堂内は混んでるから人に当たってしまったのだろう。謝ろうと思って顔を上げると…………。