黒バスshort
□最後のオチは?
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「こらアホ峰とまれぇぇぇ〜〜〜!」
青「殴られんの分かってて止まれるかよっ!」
「それでも止まれ!!」
担任教師の鶴田鶴夫(髪の毛がない)に頼みたいことがあるからと呼び出され、用事を終えたその戻り途中だった。廊下の先に大輝を追いかけている名前を見つけた。大輝の足の速さについていけるとはさすがだな。バスケ部のマネージャーと言うだけはある。彼女をスカウトしてよかった。
そう思いながら二人の方を見ていたらハッとした顔をした彼女と目があった。今日も名前はかわいい。さすが僕のお気に入りだ。
「征十郎っ〜〜!」
青「ゲッ!赤司っ!?」
赤「やぁ名前に大輝。こんな真っ昼間から鬼ごっこなんて元気じゃないか。メニューを考え直すか…。」
青「今最後の方小声でやべーこと言わなかったか!?」
「そんなことどうでもいいから征十郎っ!アホ峰捕まえてーーー!」
青「止めんな赤司っ!!」
赤「仕方ないな。」
僕の言葉を大輝がどう受け取ったのかは知らないがホッとした表情が見えた。悪いが大輝、僕はいつ何時も名前の味方だよ。僕の利害と不一致しない限りね。
赤「大輝、僕の横を通り過ぎた瞬間今日のメニューはいつもの5倍だ。」
青「っ………!!」
「あっ、ぶへぇっ!!!」
ピタッと一ミリのズレもなく僕の真横に止まった大輝の背中に名前の顔面が衝突する。変な声を上げながらも足に力を入れて倒れないようになんとか踏ん張ったようだ。大輝が犠牲になったが。
「いったぁ〜…!なんでいきなり止まんのよバカ峰っ!」
青「お前が止まれっつったからだろーがっ!」
「違うでしょ!?アンタが止まったのは征十郎の一言であって私のためじゃないでしょ!何回呼びかけても止まらなかったくせに!」
青「そりゃそうだろ!お前メニューが5倍になるってどういうことだか分かってんのかよ!」
「知る訳ないでしょそんなの!これだからバカ峰は」
青「さっきからずっとスルーしてやったけどその呼び方止めろよ!」
「早く止まってればあんな呼び方しませんでした!」
赤「おい二人とも。」
大輝と名前の言い合いが終わるのを待っていようと思ったが面倒だ。それに終わる気がしない。それより重要なのはどうして名前が大輝を追いかけていたのか、だ。どうせ大輝がまた何かやらかしたんだろう。
「あ、ほったらかしにしてごめんね征十郎。大輝止めてくれてありがとう」
赤「いいさ。こいつが名前に何かしたんだろう?」
青「してねぇよっ!」
彼女からお礼を言われるのは嫌いじゃない。むしろ好きだ。恋愛感情として好いているせいもあると思うが…。彼女の笑顔は僕を幸せにしてくれる。早めに僕だけのものにしなくては。他の男共に引っ付かれたら迷惑だ。考え事をしていた頭を、名前のかけ声で元に戻した。
「征十郎?」
赤「あぁ、悪い。…で、一体なにがあったんだ?」
「そうそう聞いてよ征十郎っ!」
青「名前っ、お前くれぐれも間違えんなよっ!俺のメニューが更に倍になる!」
赤「大輝、少し静かにしてくれないか。」
うるさく吠える大輝を黙らせたあと名前に聞く。彼女は大輝にむかってべーっと舌を出していた。
「こいつ最悪なことにさ、人の胸を掴んで触ってきたのよ!!」
赤「………なんだと?」
ピシリ、と凍った空気を敏感に察したのは大輝だったか。自分でも思わず出た低い声に吃驚しているよ。額に青筋が浮かんでいなければいいが。それにしても、今のは聞き間違えじゃないか?さすがの大輝でもそこまで命知らずではないと思うが。
赤「…名前、もう一度聞いて良いかい?今言った言葉を。」
「だーかーらーっ!大輝が胸を掴んで触ったの!」
さっき聞いた言葉は確かだったらしい。グッと握りしめた手のひらは白くなっているようだ。このまま大輝を殴れることなら殴ってしまいたいよ。あいにくレギュラーの一員にそんなことは出来ないが。
赤「大輝、お前は相当な命知らずらしいな。」
青「まっ待て赤司っ!それは誤解だっ!」
赤「よほどお仕置きを受けたいようだな」