シェアっちゃおーぜっ!

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黒「では名前さん、また後で」

「そうだね、また話そうね」



とりあえず一団体目が終わりました。さっきまで私の横にいた母親は、もう飽きてしまったのかこの部屋にはいません。きっとどこかを散歩していると思われる。これから一緒に住むことになる人達の自己紹介ぐらい聞いて欲しかったのに。



?「名前まだ〜?」



考え事をしていた私の声を遮ったのは、髪の真っ赤な男性だった。
おまたせしちゃ悪いよねっ!それに30人以上いるんだしさっさとやらないと間に合わないもんね!



「じゃあ次の自己紹介お願いします」



その男性がいる団体に声をかけると数十名の人が私の方に動きだした。この人たちも頭がカラフルだ。髪色がバラバラだなー(笑)一通り全員そろったかな?



「これで全員ですか?」

?「はい、全員です。」

?「では順番に自己紹介をしていこう」

?「でもマサ、名前の歳なら俺達のこと知ってるかもよ?」

「へ?」



そう言われた瞬間みんなの目線がバッと私に向く。注目されてるけど、私まったくあなた方のこと知らないんですがっ!見覚えもないし記憶にもない!でも知り合いとかだったら失礼だよね…。



?「ひとまず私達の方から自己紹介をさせていただきましょう。先輩方、それでいいですか?」

?「いいよいいよーんっ!始めちゃって〜!」

?「きっと、グループ名聞けば分かると思うんだよね!だからさ、みんなでせーので言ってみようよっ!」

?「それもそうですねぇ〜いってみましょうか〜!」

?「俺たちーっ!」




「「「「「「「ST☆RISH!!!」」」」」」」」

「…………すたーりっしゅ?」



聞き慣れない言葉を口から出した幼児みたいに首を傾げる。パチパチと瞬きを繰り返してみんなを見つめる。一瞬沈黙が訪れたあと、堰を切ったように各々喋りだした。



?「うっそー!名前俺らのことしらないの!?」

?「まぁさっきのモデルの話をしていた時点で予想はしていましたが…。」

?「これはこれで悲しいな…」

?「でも、これから僕達のことを知っていってもらえば同じことですよぉっ!」

?「そうだよ。レディの心をオレ達で魅了すればいい話じゃないか。」

?「そうデス!初心忘るべからずデス!」


?「セシルよくそんなことわざ知ってたな…」



落ち込む人や慰める人と様々な反応をありがとうございます。ただ私何一つ分からないのですが。



「あ、あの会ったことありましたっけ…?」

?「会ったことはないけど、見たことならあるかもな」

「見たこと?」

?「俺達、アイドルグループなんだっ!」

「…………えっ!?」



アイドルグループなんだっ!

アイドルグループなんだっ…!

アイドルグループなんだ…

アイドルグループなんだ

『アイドルグループ』



「あ、アイドルっっ!?」

?「驚いた顔の名前ちゃんかわいいです〜!」

「え、アイドルって、あのっ!?」

?「そのアイドルですよ。」

「えぇーっ…」



頭がフリーズしそうだ。アイドルって…テレビに出てる人達のことだよね…そんなすごい人達が…シェアハウスって…。唖然としている私の横から会話が聞こえてくる。



?「ST☆RISHのことを知らないってことは、名前がボクたちのことを知っている確率は5%にも満たないよ」

?「そんな寂しいこと言わないでよアイアーイ!」

?「認知されてようがされまいが俺には関係ねぇ」

?「愚民が。高貴なる私のことを知らぬだと?その罪万死に値するぞ」



この会話から察するにこの方たちもアイドルみたいだ。あとで聞いてみることにしよう。
時間を置いて頭が整理されてきたな。そろそろ自己紹介してもらおう!



「じゃあそろそろ自己紹介してもらっていいですか…?」

?「あぁすまない。それでは…一十木からでいいか?」

?「うん!俺一番最初がいいーっ!」



そう言ってくれたのは一番最初に私に声をかけてくれた人だった。真っ赤な絵の具を塗りつぶしたように赤い髪。短髪は彼によく似合っている。私と目が合うと笑ってくれた。



音「俺の名前は一十木音也!名前には名前で呼んで欲しいなぁー…!ちなみに何歳?」




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