シェアっちゃおーぜっ!

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母「私たちが自己紹介したことだし、皆にもしてもらいましょうか!ね、名前ちゃん!」

「うん、そうだね。」



…といっても、ここには今30人以上いるわけだから一気に自己紹介されてもわかるわけがないので、とりあえずグループごとに簡単な紹介をしてもらおうかな。一気に名前覚えられるかな。…不安です。



「そしたらとりあえず…目の前にいる頭がカラフルな学生さんからで!」

?「頭がカラフルだってよ!(笑)」

?「まぁ確かにその通りっスから!」

?「だが初対面の人間にそれはないのだよ」

?「きっとなんて呼んでいいのかわからなかったんですから、そんな言い方はよくないと思います」

?「えー、めんどくさーいー」

?「ほら、とりあえず全員彼女の前に並べ」



た、確かに初対面で失礼だとは思いました。はい、自覚してます。でもなんて呼んでいいかわからなかったんです!笑われて批難されて慰められてと色々ですが私の前に並んでくれた6人。私もあわてて立ち上がって居住まいを正す。
うわー。この人たち背おっきい!私より10センチ以上あるよー!高いものとるのに便利そうだなーなんて思ったり。
リーダー格っぽい赤い髪の人が口を開いた。



?「とりあえず簡単に自己紹介をしようか。黒子から頼む。」

黒「わかりました。」



透き通るようなアイスブルーの髪と、瞳。男の子なのに肌が白い。私負けてるんじゃないかな。なんか…消えちゃいそうなイメージだな。



黒「とりあえず名前さん、僕のことが見えますか?」

「…はい?」

黒「見えてますか?」

「見えてるけど…それがどうかしましたか…?」



どういうことなのっ!?見えてますかって!見えてるよ!え、だって人間でしょっ!?人間だよね!?え、ちがうの?そういう類の生き物だったりするのか!?



「え、人間じゃないのっ!?」

黒「いえ、人間です。」



驚いたように聞き返せば即答で返ってきた返事。うん、彼は人間のようだ。一瞬違うものが見えるようになってしまったんじゃないかと焦ってしまったよ。



黒「僕、極端に影が薄いんです。だから認知されないことがあって。」

「え、そうなのっ!?」

母「名前ちゃん誰と話してるの?」

黒「…こんなふうに。」



影が薄いって言うのは理解ができるけどここまで薄い人なんているんだ…。っていうか目の前にいるのにお母さん気付いてないし。
でも、心なしか、お母さんに気付いてもらえなかった時の彼は一瞬悲しい顔をしていた。



?「おいテツ、話ずれてんぞー。」

黒「あ、すみません。改めて自己紹介します。僕の名前は黒子テツヤって言います。呼び方はテツヤ…がいいです。名前さんと同じ高校2年生です。この話し方は癖みたいなものなので名前さんは普通にタメ口ではなしてもらってかまいません」

?「ちなみにここにいる全員が高校2年生なのだよ。」



緑の人は横からありがたいことを言ってくれた。実は高校生に見えない人が何人かいたから社会人じゃないかと疑ってたけど…その心配はしなくても平気みたいだ。



「じゃあ、テツヤくんね!これからよろしく!」

黒「宜しくお願いします。」

「あ、あのさ。」

黒「はい?」



さっきの悲しそうな笑顔が脳裏に映る。なんか…一言言ってあげたくなってしまった。



「私は、テツヤくんのこと、ちゃんと見えてるからね!だから…何かあったらいうんだよ!」

黒「…はい」



無表情に近い彼の顔に、笑顔が浮かべられるのを、私はもっとこれから知っていきたいと思った。




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