そして鷹はペンギンになり翔ける

□“面白いチーム”
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(視点夢主に戻ります)



リベロが前衛なんて異例だ。
普通なら前衛に上がる時に交代をして、リベロは後衛のみになる。
今回俺は交代なしのフルで出なければいけないため、前衛もやらなければいけない。



「なぁ、泰長はブロックもアタックも出来ないのに、どうやって前衛やるんだ?」


ひょっこりと日向が顔を覗かせ、心配そうにこちらを見た。日向だけではない、大地先輩も田中先輩も月島も、窺うようにこちらを見ていた。


異例の状況に、みんなどうすればいいのか分からないらしい。



「大丈夫だよ、日向」


自分より少し下にある、オレンジ色の頭をポンポンと優しく撫でれば、日向は目を細めて気持ちよさそうにする。


「大丈夫です、俺には策がありますから。な、影山!」

「オウ」



ニッ、と笑う俺と影山に大地先輩は不思議そうに眉を寄せるも、すぐに顔を和ませ「ま、泰長に任せるか」と、心強い返事をしてくれた。



「その策で、なにか俺たちが出来ることってあるか?」

「そうですね…じゃあ、二球目を影山じゃなくて俺に回してください。アタックラインより手前におねがいします」



青城に聞こえないように背を向け、小声で告げる。月島はなにか分かったようで、「ああ、成る程」と呟いたが、大地先輩と田中先輩と日向はまだよく分からないようで「?」と頭に浮かべながら首を傾げていた。



「ペンギンちゃん、そんなことも出来るとか…ほんと何者なの?」



苦々しい顔をしながらこちらを見る月島に、ふふんと俺は鼻を鳴らした。



「ま、こんな策が出来るのは師匠に鍛えられたおかげだからなんだけどな」

「師匠師匠って言うけどさ、その師匠って…誰なわけ?」

「え?言ってなかったっけ?えっと、皆が知ってるかはわかんないけど――――烏養元監督だよ」





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