そして鷹はペンギンになり翔ける
□チーム烏野、始動
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試合再開。
町内会チームが20、俺達烏野が18と、町内会に追い上げを見せた。
「なかなかやるなぁ高校生…!おっちゃんも本気出しちゃうんだぜ」
町内会チームの一人、嶋田さんがそう楽しそうに笑う。サーブを上げようと構えたその独特な動きに大地先輩は小さく「ジャンプフローター…」と声をもらす。
ジャンプフローターサーブ。別名無回転サーブ。無回転なため軌道がぶれて取りにくいサーブ。…厄介だな。注意して取らないと。
ーーーーと、思った矢先、嶋田さんのサーブは日向の正面に入り、取ろうとした日向の目の前で軌道がぶれる。日向は顔から床に滑り込んだ。
「あっちゃー…」
「?!なんだ今の!!!急に曲がった!!!! 」
「ジャンプフローターサーブだよ、日向」
「なんだそれ!」
「無回転サーブとも言うんだけど、急に軌道が変わるから普通のサーブより取りにくいから注意して取って。おっけー?」
「わかった!」
こくこくと頷いて注意はするものの、やはりジャンプフローターに皆慣れておらず、次々に点を取られてしまった。
ギリギリ大地さんによって上げられたボールは影山のもとへ落下し、素早く影山がトスを上げる。
見事に相手のブロックは全て日向につられるが、ボールが上がったのはノーマークの田中先輩。
「やべっ!」
「ドーモ!ゴブサタしてますっ!!」
待ってましたとばかりにニヤリと笑い、力強いスパイクが打たれるも西谷先輩に拾われてしまう。西谷先輩はどんなボールでも拾ってしまうからなかなか手強い。
「ナイス西谷!!」
「ぬぁぬ!?」
「あぁあっ惜しい…」
西谷先輩から上げられたボールに菅原先輩が向かえば、旭さんからトスを呼ぶ声が聞こえ、旭さんのスパイクが決まってしまった。
そこで町内会がセットを取り、ここで試合終了。
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「約束だからな灯真!アイスだぞアイス!」
「ずるいですよジャンプフローター出してくるなんて…」
「勝負に文句つけるんじゃねぇ!男だろ!」
「西谷先輩が言うと説得力ありますよね…」
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