黒バスboys.

□タイムマシーンがなくたって/黄黒
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「俺は昔の仲間達が大好きだし、今でも
大切な仲間だと思ってる…
もちろん海常も大好きだし、先輩達も
ほんとにいい人達ばっかで幸せで。

だけど心のどっかでやっぱり隣に黒子っち
がいたら、もっと楽しいだろうなとか、
あのメンバーで昔みたいに笑いあって
仲良くできたら嬉しいなとか…
そんなことを思う自分がいるんスよ。

だけど黒子っちが部活を辞めた原因は
俺達にあるんスよね…申し訳ないっス。

なのに俺は黒子っちの気持ちを考えずに
ずけずけ踏み込んだこと言って…
昔の事をこうやっていつまでも引きずって
大切な仲間を、傷つけてたんスね。

でも踏ん切りがついたっス。
これでもう過去のことは引きずらない。
俺は今の俺を頑張っていくっス」


そう言うと黒子っちの手がしゃがんでいた
俺の肩を力強く後ろへと押した。
バランスが崩れ、俺は地面に座り込む。
見上げると黒子っちは見たことのない様な
怒りと悲しみが混ざった表情をしていた。

「どうしてそんなこと黄瀬君が言うんです。
まず僕が部活を辞めたのは君達のせいでは
ありませんし、そんなヤワじゃないです」

俺が尻餅をついて、黒子っちの珍しい
怒った声を聞いて呆然としている間にも
黒子っちは言葉を続ける。

「だいたい何なんですか、黄瀬君のくせに。
いっちょまえに仲間だとか俺だけとか。
…僕だって大切に決まってますよ。
誠凛も好きだけど、帝光だって好きだ。
自分だけみたいなこと言わないで下さい」

一気に喋ったからか、はぁっ…と一度
息を整えると座り込んでいる俺に手を貸して
くれて俺は重い腰を上げた。


「それに…無理して笑う黄瀬君は嫌です。
黄瀬君が自分に嘘をついて必死でホントの
自分を殺すのも、僕は嫌いです。
黄瀬君…黄瀬君だけは正直でいてほしい」

ふと、俺の目から涙がこぼれる。
黒子っちは俺の顔から視線をそらし、
ただ俺の足元あたりを見ていた。
その優しさに更に涙が出る。

「俺だって寂しくないけど、寂しかった。
俺だけかと思って…みんなが今は争うだけの
関係になっちゃって…悲しかったんス」

俺がそう言うと黒子っちは嬉しそうに
何度も頷いて笑顔を見せた。


「…やっぱ考え直して一緒に海常で…」
「お断りします」

ぷっ…とお互いに笑いがこみ上げる。


「僕、誠凛が好きなので」
「……それならば何よりっス、心から」






fin.
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