黒バスboys.

□繋ぐもの/青黒
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「これ以上バスケを続けたら警察になれない
どころか日常生活にも支障が出るらしい」
「そんな…どうして青峰君が」

罰が当たったんじゃねぇの、と言う青峰君
はいささか冗談を言う風にも見えない。
バスケは…続けられない。
続けたらもう未来の道は閉ざされる。

「あー…衝突事故とかツイてねーなー」

そう言いながら天井を仰いだ青峰君の
服の袖を無意識に掴んだ。
そしてぼろぼろと涙がこぼれ落ちる。
もちろん青峰君は慌てふためいた。

「お、おい、テツ…何でお前が泣くんだよ」
「…辛いなら泣いて下さい…青峰君っ」

泣いてるのはお前…と茶化すのを途中で
やめ、青峰君はぐいっと上を向く。
その目からは涙が一筋流れていた。


「あークソ…バスケ…やりたかったなぁ」


バスケの神様に愛され過ぎてその愛が
有り余ってしまった帝光時代。
火神君と出会う事で純粋にバスケの
楽しさを取り戻す事が出来た桐皇時代。

いつの時だって、青峰君は結局のところ
バスケが本当に大好きだったんだ。
誰よりも大好きだったんだ。

バスケプレイヤーとしての人生が終わる。
かつてキセキの世代のスコアラーと呼ばれ
縦横無尽にコートを駆け回っていた
青峰君のバスケ人生が。

「テツ…俺、もう駄目だわ…」
「青峰君…そんなこと言わないで下さい」

流れる涙を必死で抑えて顔をこちらに
向けない青峰君を見て息が詰まる。
けど、1番辛いのは青峰君だ。

「僕は休みの日に君とバスケがしたい。
きっと何年後かには少しは出来ます」

青峰君は声を押し殺し続ける。

「僕と青峰君はバスケでは気が合います。
もし僕達がバスケをしていなかったら
出会うことすらなかったでしょう。
バスケは僕達を繋げてくれたんですよ。
きっと何年後かにもまた繋げてくれます」

瞬間、青峰君のリミッターが外れた様に
泣き声が制御されずに漏れる。
頬を伝う涙の量も多くなる。


大学2年生の冬のこと。
泣く君の声は震えていた。









fin.
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