黒バスshort.

□夏といえば合宿だ!!/all
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「おいしー、千広ちんのパスタ」
「麺類は消化にも良いのだよ」

午後12時半、通常練習が終わり昼食を
摂った後はまた午後練が始まる。
私は素直に美味しいと言う言葉に照れた。

消化も良く、エネルギーがつく麺類。
これなら練習にへばってても食べれるかな
とか思ってたんだけど…

「黒子っちー、大丈夫っスか?」
「…大丈夫、です」

どうやら一人だけ例外がいたらしい。
テツヤはソファに寝転がってただただ
具合が悪そうにうなっていた。

テツヤの体力がないことも、練習後は
へばってよく吐くことも知ってたけど…
まぁ、一軍の練習だけでもキツイのに、
合宿ともなるともっとキツくなるよね。

「でもよ、なんか喰わねーと保たねぇぞ…?」
「青峰の言う通りだな…千広、ゼリー飲料
か何かすぐに出せるかな」

私は慌てて冷蔵庫の中からゼリー飲料を
取り出すとテツヤに手渡しする。

「キツイかもしれないが、飲めるかい?」

テツヤはゆるゆるとキャップを外すと
ゼリー飲料を飲み始めた。
その後は吐く様子もなく、大丈夫だ。

「ご迷惑おかけしました、もう大丈夫です」
「じゃあ、午後練を始めるのだよ」

もうテツヤがへばったところで、休んでて
いいよ、とならないのは知っている。
いくらへばっても吐いても練習が出来る
状態なら練習をさせる。
それが帝光一軍の掟みたいなものだ。

「午後は山を使ってファルトレクだ」
「ファルトレク…って赤ちん、何ソレ〜?」

ファルトレク、要は山を駆け回るもの。
不安定な地形を走り回ることで、偏りの
ない筋肉が程よく付くと言う。
赤司君はそんなことを説明しながら何か
図の書いてある紙を全員に回した。

「コースは書いてある通り、給水ポイントは
ちょうど山頂にあるしそこで休憩をするなり
何なり、とにかく好きにしていい」

赤司君が腕時計を見て時間を確認すると
タオルを首にかけて輪を抜けた。

「13時開始で、予定通り行けば18時には
この別荘に着くはずだからね」

時間は12時50分。
山に行くにはもう別荘を出る時間だ。
全員が準備をする中、赤司君だけが何も
せずに、みんなを見ていた。

「赤司君は行かないの?」
「俺は下のジムでトレーニングしてるよ」

あ、そうだ....と赤司君が手を打つ。

「千広と桃井も連れていこうか。
桃井はそうだな、Bグループに。
千広はお前達Aグループに混ぜよう」

全員が赤司君の一言に目を丸くする。

「赤司、2人には無理なのだよ!!」
「そ、そうっスよ、いくらなんでも....」

私とさつきは目を合わせた。
無理。
絶対無理だよね。
こればかりは意思疎通。

「俺が決めた事だ、いいな」
「....…....……」
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