黒バスshort.

□ポーカーフェイス/黒子
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「黒子っ、シュート!」
「……っあ」

まだ誰もいない体育館で俺と黒子は
2人だけでシュート練習をしていた。
黒子が放ったシュートはゴールのふちに
当たると跳ね返って床に落ちる。

「どうしたら入るんでしょうかね」
「んー…とにかく少し休憩でもするか?」

ボールを拾い上げると黒子と俺は
ステージ上に腰掛ける。
なんとなくだけど俺は違和感を感じた。
黒子…今日なんか上の空だな。
いや、いつもそれはそうなんだけど。

「黒子、今日なんかおかしいけど…」
「え…そうですかね」

俺と黒子はクラスは違うけど、体育館に
来る前一瞬だけ黒子と黒子の幼馴染み
が廊下で話してたのを見た。
その時も、幼馴染みの話に相打ちは
打ってるけど何となくぼーっとしてる
黒子が印象的に見えたのを思い出した。

「僕はいつも通りですよ?」
「…ならいいんだけど、部活の準備するか」
「そうですね」

ステージから飛び降りると俺はオール
コート用のゴールを出す。
黒子は準備室に行ってボールを取りに
行ったようだ。
その時、体育館の扉が開く。

「あれフリじゃん、個人練?」
「あっキャプテン、黒子と一緒にです」

そうかと言いながらTシャツで眼鏡を
拭くキャプテンに俺は近づいた。
そしてちょいちょいと耳を貸すように
ジェスチャーをする。

「今日の黒子なんか変なんです」
「あ?いつもだろあいつが変なのは」

いや…確かにそうなんだけど。
今日は明らかに違うんだってあれは。
まじで人の話きいてないんだって。

はぁっと溜め息をつくとキャプテンは
準備室に黒子がいることを俺にきいて
黒子の元へと向かう。
準備室の扉を開けるとキャプテンは
きょろきょろと黒子を探した。

「おーい、黒子ーどこだー?」
「キャっ…キャプテン!!!」

俺は慌ててボールの入ったカートと
体育用マットの間を指さす。
そこにはマットに寄りかかるように
倒れて苦しそうに息をする黒子がいた。
キャプテンが急いで駆け寄る。

「フリ、保健の先生呼んでこい!!!!」
「はっ…はいっ!!」

慌ててターンするとバッシュのスキール音
が体育館に鳴り響いた。
えっ、黒子…あれ、倒れてたよな?!
もしかして上の空だったのと倒れてたの
ってなんか関係してたのか?

俺は全力疾走で廊下を駆け抜けた。
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