黒バスshort.
□文化祭ってさ…2/all
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中は暑いらしく大輝が頭部分を脱ぐ。
どうやら頭はフードの様になっている。
そして私を見て溜め息をついた。
「…シンデレラもなかなかいいな」
「大輝、視線が怪しいぞ」
涼太が何か思いついたように真太郎を
指差すとおもむろに立ち上がり、
自分の座っていた隣の席に座らせた。
「緑間っちも化粧したらいいと思うっス」
「なっ…俺には必要ないのだよ」
私は征ちゃんとテツヤと大輝を見つめた。
全員が満場一致で深くうなづく。
真太郎、化粧決定。
でもまずは涼太を終わらせないと…
「はい、じゃあ次は眉ねー」
「了解っス」
そして、涼太と真太郎の化粧が終わって。
まぁ真太郎を化粧するのはなかなか
骨がいる交渉だったけど。
『真太郎、僕の言うことは?』
『…………絶対、なのだよ』
そういうわけで征ちゃんに助けてもらった。
「緑間君って結構、女顔してますよね」
「二人ともすごい可愛い!!」
真太郎はミ○ーちゃんということで、
とにかくまつ毛をばさばさにしてみた。
アイシャドウは水色、チーク多めで
なるべく本家に似せたつもりだ。
涼太は夏っぽいイメージで全体的に
薄化粧で素材を活かしたメイクにした。
アイシャドウはダークブルー基調。
茶色のカラコンも入れてもらって、髪も
ウィッグをかぶって巻き髪にした。
「千広すごいっス、別人みたいっス!!」
「すごいがつけまつ毛で瞼が重いのだよ…」
「あれ、黄瀬ちんとみどちん?」
化粧が終わったところで、後ろから
いつも通りのゆるそうな声がかけられた。
振り返るとそこにはあっち。
「ゆるくない、ゆるくない、決して」
「襲われたら確実に死にます」
まいう棒をもぐもぐ食べながら2m級
のクマがやってくればそりゃそうなる。
あっちは何かを察した様でその場に
しゃがんでフードを外した。
「やっぱり怖いー?」
「紫っち、リアルクマっスね…ほんと」
全員で討議の結果、まだフードを被って
ない方が怖くないということになり、
身体だけクマの着ぐるみになった。
そして、校内放送が本祭開始を告げた。