黒バスshort.

□夏といえば合宿だ!!/all
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「やっぱデケェよなー、赤司ん家の別荘」
「峰ちんって、荷物整理遅くなーい?」

帝光バスケ部一軍22人+マネ2人。
夏合宿にやってきました。


人里離れたこの場所は山奥の合宿所…
という名の赤司君の別荘地帯だ。
近くには手頃な高さの山に一部私有の海。
ちなみに手頃な高さというのは、赤司君の
言うトレーニングに最適、という事らしい。

それから、今回の合宿は一軍のみだ。
二軍の合宿は先日終えたばかりで、三軍
にはそもそも合宿というものがない。

「で…なんで私達までこの別荘…」

私達というのはマネージャーである
私とさつきのことであって。
本来女子ということで違う別荘に宿泊
するつもりが、赤司君の執事さんの手違い
で別荘が借りられなかったのだ。

「すまなかったね、不便をかけてしまって」
「ううん、赤司君のせいじゃないし!!」

8人3グループを作って3つの別荘に別れる
にあたってやはり私達がこのキセキの世代
6人に混ざるしかなかった。

…まぁ、私とさつきもキセキの世代とは
仲もいいからよかったんだけどね。
やっぱりお風呂とか、不便そう…

「よし、荷物の整理は終わったみたいだね。
じゃあ外に出てみんなと合流しようか。
近くの体育館で通常練習から始める」

赤司君の一声で全員が立ち上がって別荘
を出ていくので私達も追いかけようとする。
と、赤司君が私達に向き合った。
そして種類の異なった鍵を3つ渡される。

「3つの別荘の鍵だ、申し訳ないんだけど
千広には別荘ごとの食事を、
桃井にはスポドリとタオルを用意して
体育館に来てもらってもいいかな」

もちろん、と私はうなづいてから気付く。
食事の準備…さつきにしなくて正解だね。
若干赤司君が怯えてるのは気のせいかな。
そういえば去年の合宿のカレーは…
ううん、思い出しちゃ駄目だ、アレは。

「あぁそれから、千広」
「どうしたの?」

ふと、赤司君の顔が近づく。
そして耳元で小さく囁かれた。
ガラにもなく、少しだけ顔が赤くなる。

「あっあ…あ、あのっ…」
「桃井には手伝わせないように…絶対」

あ、照れるような内容じゃなかった。

別荘から全員が出ていって、外からは
赤司君が指示を出す声が聞こえる。
私とさつきはよし、と気合いを入れた。

「スポドリの水、体育館横の使うね」
「私、まずここの別荘の食事作っちゃうわ」

さつきは持ってきたエナメルから22本の
ドリンクホルダーと、大量のタオルを
取り出すとかごに入れて別荘を出ていく。

私は自分のボストンからエプロンを出して
着けるとキッチンの前に立った。
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