黒バスshort.

□ただのクラスメイトで/火神
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「なんか最近部活帰り暗くなってきたよね」
「もう冬だもんねー、怖いなぁ」

誠凛高校に入ってもう11月の下旬。
外もだいぶ寒くなってきて、日も短く
部活が終わって歩いて一人で帰るには、
少し暗く危なくなってきた。

香織と咲も私と同じ吹奏楽メンバー。
うちの学校の吹奏楽部は新設校にしては
わりと強豪で練習も完全下校時間ギリギリ
まであるので確かに帰りは怖い。

それに、実は私には思い当たる節があった。

「最近帰り、誰かにつけられてる気がするの」
「えっ…千広それ冗談しょ…?」

表情を固めて聞き返してくる香織と咲は
かなり本気で私を心配してるらしい。
何となく私はえっと…と言葉を濁らせる。

「あ…んと、や、でも多分勘違いかなー」
「ならいいけど…気をつけてねー?」

うん、大丈夫だよ…と苦笑いで答えたは
いいけど…私の家までの道、街灯とか
あんまりない細い道だしやっぱ怖いなぁ。
お兄ちゃんに迎えにきてもらおうかな…

と、帰りのHR終了のチャイムが鳴って
放課後の部活の時間が始まる。
今日の準備担当は金管楽器の私達なので
急いで荷物をまとめてカバンを持った。

「私達、木管だからよろしく〜」
「もう言ってくれるよねー…わっ!!」

教室を出ようとしたところ、誰かに
ぶち当たって思わず尻餅をつく。
誰かと思い、見上げた。

「スマン、怪我ねぇか」
「火神君…うん大丈夫、ありがと」

火神君は正直苦手だ。
多分いい人なんだろうけど、見た目が怖い。
火神君こそ夜道であったら怖いよ…
私はお礼をして急いで教室を出た。
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