黒バスshort.

□なんてことのない日/青峰
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なーにをしてるんだろう、この子は。
私は隣に座る自分の彼氏を眺めた。

なんてことのない日の午後、春の暖かい
日差しがカーテン越しに部屋に入り、
ソファでぐだぐだする私達を眠くさせる。
別にお互い何かを話すわけでもなく、
私はただ携帯を右手で弄っていた。

「ねぇ何してんの?」
「何にもしてねーけど」

彼はと言うと、私のあいた左手を何故か
永遠とぷにぷにし続けていた。
飽きもせず私の手でピースを作ったり
私の指で私の頬をつついてみたり。

あまりにも長いことやっていたので、
私は気にしないことにして携帯を弄る。

と、手の動きが止まった。
私が何事かと思い大輝の方を振り向くと
同時に彼の頭がむいーっと押し付けられる。

「ちょ、青峰さん…何事ですかね」
「このまま」

そこで私はやっと大輝が何を考えてる
のかを感づいた、試合のことだ。
彼が何も言わずに私に身を預けてくる時
は大抵部活か試合で、何か嫌なことが
あったり揉めたりした時。

私は肩に頭を乗せる大輝をぎゅっと
抱きしめて頭を静かに撫でた。
普段は嫌がる大輝も黙っている。
私はふふっと笑う。

「映画でも見てのんびりする?」
「千と千尋の神隠し観てぇ」
「あ、いいねそれ」


会話もあんまないし、目も合わせないけど
案外これはこれでいいんじゃないかな…
なんて最近は結構思ってるわけで。


「大輝ー、リモコン取って」
「自分で取れデブ」
「くそやろう、ガングロ青峰のくせに」


訂正、結構じゃなくて少し。






fin.
(どんだけ口下手なんだろうこの子)
(こいつといると…楽)
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