黒バスshort.

□文化祭ってさ…2/all
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学校中が浮ついて、慌ただしく準備する
生徒達が廊下を駆け抜けていく。
今日は文化祭最終日、本祭。

2-1の空気はとてもカオスなことに…
ゴリゴリな白雪姫に可愛い色白な
女の子のバスケットプレイヤー。
ってか、逆にしろよって感じもするけど…

「千広、化粧お願いするっス!!」
「はいはーい」

私が仕切りの中で着替えていると、外
から涼太の声が聞こえる。
それにしてもこの衣装ってなんか…
私は仕切りから顔だけ出して、真由を
探してちょいちょいと呼んだ。

「なんかこの服すごい大きいんだけど…」
「ごめん、マシなのこれくらいしかなくて」

私はかろうじて大きいのを何とかカバー
して仕切りの中からおずおず出る。
仕切りの外には制服姿の征ちゃんと、
執事姿のテツヤとワンピースの涼太が
立っていて皆わっと笑顔になった。

「千広超可愛いっス…!!」
「シンデレラですか、似合ってますね」
「うん、とても綺麗だよ千広」

えへへ…と赤面する私。
シンデレラなんだけど…でかいこの衣装。
腰のギャザーを最大限寄せている。
スカート丈は折り込み安ピンで止めた。

涼太を椅子に座らせて私のカバンから
化粧道具を出すと真正面に座る。
目を閉じた涼太に私は思わず感嘆した。
やっぱモデルって肌とか綺麗なんだ…
私はオイルをオフしてからBBクリーム
を顔に薄く塗り始める。

「そういえばあの二人は…?」
「さっきから姿が見当たらないんです」
「ロッカーにはもう衣装は無かったから、
多分仕切りの中かトイレだろう」

と、教室の扉辺りに男子が密集した。
男子って言っても大半が女の子の格好を
した人ばっかりなんだけど…

「青峰、入ってこいよ!!」
「緑間ふつーに可愛いじゃん!!」

ん、大輝と真太郎…?!
やっぱりトイレにいたんだ…というか
もう着替えてて教室に入れない感じなのか。

化粧する手を止めて4人で扉を見つめる。
扉が男子によって開けられると一斉に
全員が大輝と真太郎を引っ張った。
2人が教室の中に押し込まれる。

「緑間っちのミ○ーちゃん可愛いっス!!」
「だ、大輝…それザリガニ…ぶふっ」

真太郎の格好は某ディ○ニーランドの
ミ○ーちゃんの服に耳までついている。
正直、ほんとに可愛い…
元々まつげとかも長いし女装向いてるかも。

問題は…大輝だ。

「青峰君、歩きづらくないんですか」
「歩きにくいっつーの」

普通に説明するとザリガニの着ぐるみ。
図解できないのが残念なんだけど…
両手はハサミになっていて、足はしっぽ
で、言ってみれば巨大ザリガニぬいぐるみ
の顔に穴が空いていてそこが大輝の顔…

クラス全員が思った。
誰よりもシュールでカオスだ…

しっぽが短い為に、歩く歩幅が小さい。
ちょこちょことザリガニが歩いてきて
私達4人の前でぴたりと止まった。
そして一言。

「…あちぃ」
「でしょうね」
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