BOOK
□あなたと
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ハートの国設定
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ここはボリスの部屋
と、言ってもアリスも遊園地に滞在しているからあまりかわらないのだが。
「なぁ、アリス」
『……なに?』
アリスが本を読んでいるとボリスがファーを抱きながら質問してきた
少し拗ねた表情をしているのに疑問を抱きながら、アリスは本を閉じて答えた
「せっかくさぁ、俺の部屋にいるんだからちょっとは相手をしてよ」
『ごめんなさいね
いま、いいところだったから』
「それ、また帽子屋さんのところのやつ?」
本を指差しながらボリスは聞いた
彼女の本を読んでいるときの横顔や、嬉しそうにしているのは自分も嬉しいけど、どうにも複雑で仕方ない
『そうよ
持っていない本だったから……』
無防備な彼女にイライラしつつ、それをかわいいと思っている自分がいる
「帽子屋さんといるのはそんなに楽しい?」
『は?何を言っているの?』
アリスは困惑顔だ
それもそうだろう、ボリスの心の葛藤などわかるわけがない。
「いいから、こたえてアリス」
『そりゃ、話をわかってくれて楽しいとは思うけど、一番はボリスよ』
「アリス……!!」
あなたといれてよかった
あなたと、あなたと、いつまでも