進撃の珈琲
□天然部下と人類最強
1ページ/2ページ
俺の班ではないが、ハンジ班所属の俺の部下。恐ろしくド天然なこの女の、何に惹かれたんだろうか。
『へーちょー、壁外調査の報告書ですー』
「…ああ、そこ置いとけ」
『はーい』
喋り方がアホっぽいが、実戦では頭がキレるし立体起動装置の扱いも上手い。報告書も完璧だ。このハル・アルバーンと言う女は、なかなかに優秀な部下である。
『へーちょー、見てくださいよ〜これ、可愛いでしょ?』
「…なんだ、これは」
『髪留めですよー!』
まぁ、確かに…悪くない。わざわざ俺に見せる為に外した髪留め。長い髪を留めるハルの仕草も良いが、小さな花があしらってある髪留めは、ハルの雰囲気に合っている。
「…似合ってるな」
『そうですかー?でもこれくれたのエレンなんですけどー、エレンも似合ってるって言ってたので似合ってるのでしょーね』
「…は?」
『え?やっぱり似合ってないですか?』
「いや、似合っている。だが、それは自分で買った物ではないのか?ハルよ」
『えー?違いますよ?エレンがくれたんです。でも私、誕生日でも何でもないのに…何故くれたんでしょう?』
「…知るか」
確かにこの髪留めは似合っている、が。エレンが贈った物だとわかると髪留めの評価が下がった。…チッ。エレンも狙ってやがるのか。
「ハルよ、今欲しいものはないのか?」
『今ですかー?うぅん、そうですねぇ〜。珈琲が欲しいですねぇ』
「…そうか」
そうではない。今この瞬間欲しいものじゃなく、実用品で欲しいものを聞いたんだが…。
『でもー、へーちょーとこうやってお喋りする時間がもうちょっと欲しいかもですね〜』
「!フッ…そうか」
表情の乏しい俺だが、少し、口角が上がるのがわかる。
『!…もう1つ、欲しいものありました〜』
「?…それはなんだ?」
『へーちょーの笑顔です!』
他意はないんだろうが、嬉しい事をサラッ言ってくるハルに、更にハマったのは言うまでもない。
end
(ハル、俺も欲しいものがある)
((?…何が欲しいんですか?))
(お前だ)
((?私は、貴方に心臓を捧げたんですよー?貴方のものでしょう?))
(////…そうだな)
本当に終わり!