刀剣乱舞
□俺こそが…
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山姥切長義は考えあぐねていた。
山姥切長義という個体は嫉妬深く、1番を好む。
しかし主は鶴丸国永や薬研藤四郎といった刀と前世からの付き合いがあり、初鍛刀の自身でさえ入り込めない領域があった。
だが、山姥切長義という個体は余裕もあった。
なので他の男士達が主に愛されていていようが、自身が1番である時間があれば気にならなかった。
しかし何年経ってもひとつだけ許せないことがあった…。
旧知の仲である南泉一文字の事だ。
主は前世で猫殺しくんを一等気に入っていたらしい。
そんな中、いきなり没収された事があり、猫殺しくんが居なくなると一日中探し回る。
仕舞いにはしばらく離れない。
腹が立つ。羨ましい。
そんなことばかり思う。
この俺が猫殺しくん如きにとは思うが、越えられない壁があるのだ。
そして今日も彼女は南泉一文字から離れない。
彼女の初めては俺なのに…。
そこは俺の場所だ。
偽物くんだけでなく、君まで俺の場所を奪うのかい?
あぁ、憎い。
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
「主」
「どうしたの?」
嗚呼、結局また彼女が振り返ってくれた事で許してしまいそうだ。