TALES OF THE ABYSS
□2007.5.24
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「……ここにもいないわ。本当にどこに行ったのかしら?」
「あ…アッシュ」
「ん?ティアか。どうした?何をウロウロしている」
「ルークを捜しているの。ねぇ、どこかで見なかった?」
「知らんな。だが、おおかたその辺で昼寝をしているか、部屋で漫画でも読んでるんだろう」
「部屋にも、いつも昼寝している木陰にもいないの…。困ったわ、もうすぐラジオが始まるのに…」
「やれやれ、まだ逃げ回ってるのか。お前も屑のお守りとは大変だな。まぁこの広いファブレ公爵邸だ。隠れる場所には事欠かぬ。精々鬼ごっこを楽しむ事だ」
「…ルーク…」
「え〜では、次のはがき。えっと?東京都のナム孤島さん。『こんちは〜ルーク』あ〜こんちは。『ダイエットを始めようと思ってるんですが、ついつい食べ物に手が伸びてしまって明日からで良いやという気持ちになってしまい、なかなか始める事が出来ません。こんな意思の弱い自分が嫌になってしまいます。どうしたら良いと思いますか?』…知らねぇよそんな事よぉ…まぁ、くよくよしたてしかたねぇだろ。メシ食って寝る。これに限るな。そうすりゃ気持ちも晴れるってもんだ。へっ!そうすりゃダイエットも上手くいくんじゃねぇの?…ま、こんな感じだろ。……それでその…何だ。番組は今日で最終回になるわけだが…その…みんなの応援のおかげでここまで来れたっていうか。何ていうか、つまり…その…今まで聞いてくれた皆…その…何だ・・・…ありがとう」
「ルーク」
「だっ!?ティア!!何だ!!まだ収録中だぞ!」
「偉いわ…ルーク」
「!?……息が出来ないだろティア!」
「偉いわルーク」
「お、俺は別に…」
「番組の進行は相変わらずでたらめでいい加減だったけど、その気持ちはとっても素敵だわ」
「そりゃ褒めてるのか?」
「当たり前じゃない!」
「そ、そうか?」
「やれやれ、随分あまい採点だな。屑は屑だというのに」
「…」
「アッシュ!」
「…だが、少しはましな屑になったという事か」
「!?」
「あなたも素直じゃないわね。ルークと同じ」
「馬鹿な!!屑と一緒にするな。俺はただ…」
「はいはい」
「いろいろあったが…まぁ、楽しかったかな。…うん、楽しかった。それじゃあ皆、またいつかどこかで…」