プレゼント

□11600キリリク/緋影様より
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「黒の中枢」緋影様より戴きました『ニル←ハイネ←バドー』です。
(とっても素敵!ありがとうございました!)














いつも見るのは皮肉った笑み。

たまに見るのは嘲笑するような自虐的な笑み。

そして今見せるのは、あまり見せない柔らかな笑み。



その笑顔を俺に




「男の嫉妬はみっともないよ」

と、突然うしろから声をかけられてビックリ。振り返れば、そこにいるのは盲目の牧師カッコなまくらカッコトジ。

見えないはずの視線の先には可愛らしい羽を持つ可愛らしい女の子と、綺麗な白い髪(本人は好かないらしい)と紅い瞳を持つ男。

「……。」
「まぁ、普段見せないからね」


あんな顔、と続くのだが、
……この人、本当に見えてないのか?

「……あぁ、空気で何となく分かるんですよ?」

エスパーですか?
ちなみに、君はイライラしだすとタバコの量が増えるよね。煙さが増す。と添えられた。



嫉妬……嫉妬ねぇ………。

このままここにいてもいい気はしない。

「あれ?帰っちゃうのかい?」

そう言われたが、返事を返さず右手を軽く上げてあちらを振り向かずにドアを開けて外へと出る。
気をつけてね〜と間延びした声がかすかに聞こえた。


な〜んか嫌になる。と背伸びをしながら息を吸い込むが、気分は晴れない。
空気もじめじめしていて、あぁそういえば上は雨だったとか思っていると後ろからドアの開く音。

今しがた自分が出てきたドア。開ける人物は1人しかいない。


「……あれ?」

言外にもう帰るのか?と含ませるとハイネの眉間にしわが寄る。


「……………今日、打ち上げやるってったのどこのどいつだ……」

物凄く不機嫌な顔でそう言うと階段を降りて来る。

俺はと言うと、ぽかんとアホ面さらして30分前のことを思いだした。


「……行かないなら、帰る」

そう言って帰ろうとするハイネの腕を慌て
丘にあがって打ち上げでもやるか、たまには付き合え、とハイネに言った気がする。約30分前。


「……あ〜、行く行く。」

と、危うく貴重な時間を逃すところだった……。晴れた日が嫌い、という何とも暗い考えを持つハイネを仕事後誘うのはなかなか難しい。

今日は珍しく、仕事の日と雨の日が重なったのだ。


そんな貴重な時間を忘れるとは……。



ビショップはあれを嫉妬と言ったが、思うに嫉妬にすらなっていないのだと思う。


「なぁ……」

「……何」


ハイネの腕を引っ張りながら、ポツリと一言。

「もっと構え」




いつも見るのは皮肉った笑み。

たまに見るのは嘲笑するような自虐的な笑み。

可愛い天使に見せるのは、あまり見せない柔らかな笑み。

今はまだ嫉妬にすらならないけど、

いつかいつか

― その笑顔を俺に ―





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