プレゼント
□夜空
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このまま、君と
夜空
低音で単調な車のエンジン音に、つい運転中だという事を忘れて眼を閉じてしまいそうになる。
「遥、どうぞ」
助手席から差し出された板ガムを、隣を見ないで礼だけ言って受け取る。
「少し車を止めて休みましょうか??」
「んー…そうね。はぁ…アンタが代わってくれるのが一番いいんだけど」
そう文句を言いながら、近くの休憩場所に車を入れた。
今日の事件現場は片道3時間の場所にあった。完全に管轄外の所なのだが、犯人の自供を確認するために衛を引き連れて行って来たのだ。
「お言葉ですが…元々貴女が無理矢理連れて来たのでしょう??私は免許が無くても平気ですから」
「そういう生活してるから、ますますヒッキーになるんじゃない。―――はい、降りていいわよ」
エンジン音が止み、2人は車を降りた。
予想以上に捜査が長引いた為、辺りは既に薄暗くなっていた。
遥は携帯のライトを付けながら地図を確認する。
「えーと、今は山越え途中の…丁度山頂くらいかな??衛ー??そっち方面に街見えるー??」
車から離れていた衛へと呼び掛ける。
「…ここからは、木々に隠れてよく見えませんね。…おや??」
「どしたの??」
一点を見て喋るのを止めた衛に気付き、遥も彼の元へと向かった。
「??階段??」
「どうやら頂上は、展望台か何かになっている様ですね…行ってみますか??」
衛がそう言い終わる前に、遥は車に鍵を掛けてスタスタと階段を登って行く。
「衛っ、早く早く!!」