プレゼント

□まわるように
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嫌がる衛をぐいぐいと引っ張りながら、遥は勢いよく園内へと入って行った。

遊園地には、定番であるメリーゴーランドやコーヒーカップの他に、最新式のジェットコースターなどがあちこちに点在していた。

しかし、どのアトラクションにも長蛇の列ができていて、どれも2・3時間待ちのようだ。

「これも2時間待ち…??もぅっ!!これじゃあ何にも乗れないで終わっちゃう!!」

遥はそう言って、1人でどんどんと歩いていってしまう。

衛はその後ろをついて行くので精一杯だ。

「は、遥…少し休ませて下さい…!!この人数ですから、空いているアトラクションなんて無…」

「あ!!あった!!あれなら空いてる!!」

遥が指差した先には、“お化け屋敷”の看板があった。

確かに、並んでいる数は他より少ない。

「お化け屋敷…ですか」

「なあに??まさかいい歳して怖いとか??」

からかう遥に衛は深く溜息を吐き、

「貴女こそ…恐怖のあまり、お化け役の方々を殴り倒したりしないで下さいよ??」

遥は衛を思い切り蹴り跳ばした。





…予想外だった。

お化け屋敷に入る前の冗談は、あながち嘘ではないつもりだったのだが。

一緒に屋敷内へと入った遥は、周りが暗闇になった途端、急に私の手を握ってきた。

「…遥??」

「…い、いいから、黙って、歩いて」

俯きながら彼女は歩き、お化けが出てくるとビクッと震えて、握っている手に力を込めた。

あぁ、強がっているだけで、彼女も女性なのだなぁ、とふと思う。

そして、そんな遥は…とても可愛らしかった。
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