遙かなる時空の中で

□十六夜の月影に
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目の前に広がる色。



どこまでも無垢な、白。

ふわりと舞い散る、小さな塊。

きっとそれは、触れれば冷たいモノ。



どこまでも痛々しい、紅。


段々と広がる、命とも呼べるモノ。

冷たくなった指先に触れたそれは、温かい。





―――嗚呼、此処で終わるのだ。

咎人に相応しい最期なのだろう。



まだ、謝っていなかったな。

まだ、怒っているのかな。

また、僕は罪を重ねるのかな。
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