本棚(銀土)
□は・じ・め・て…
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----------Side.十四郎----------
俺たちが付き合い始めて…早くも半年が経とうとしている。
俺たちっていうのは勿論…銀時と俺のことだけど。
この半年、まあそれなりになんやかんやあったけど、俺たちの付き合いはわりかし順調なんじゃねぇかと思う。
付き合い始めてからもちっちゃなケンカや言い合いなんかは日常茶飯事だけど、お互いにその都度言いたいこと言いあってる分、俺たちの関係…絆は日に日に深まっていると思う。
恋人らしいことも…まあ、それなりに……な?///
非番の日は、必ずと言っていいほど銀時と2人で過ごすし…あれからデートも何回もした。
キスも…何度もした。それはもう、数えきれないくらいには……
万事屋で…屯所の自室で…時には人目を盗んで路地裏なんかでも…
あいつは事あるごとに、俺にキスしてくんだ。
俺だって嫌な訳ねぇから、毎回素直に受け入れっちまう。
まあ、自分で言うのもなんだけど、俺たちぁラブラブ…ってやつなんじゃねぇかな。
だけど、だけどよ…
何故だかあいつはそれ以上のこと、してこねぇんだよな。
キス以上のこと…まあつまり、アレのことだけどよ。
俺はてっきり、銀時は付き合った途端にそういうことも俺に求めてくるんだろうと思っていたから、正直言って拍子抜けだ。
あ…別に、銀時とそういうことしたいとか言ってる訳じゃねぇぞ?///
そういうんじゃないけど…なんていうか……あいつが俺のこと、どういう想いで見てるのか…不思議、でさ…
だってよ?あいつは俺のこと、ずっと前から好きだったと告白してきた時に言ったんだぜ?
そんなに前から俺のこと好きだっていうのに、俺が手に入った後も、一向に手ぇ出してこないんだ。
男だったらよ、心が手に入ったんなら、身体だって…それこそそいつのすべてを自分のモノにしたいって思うもんじゃねぇの?
少なくとも、俺は…銀時と……銀時の全てが、欲しいんだけどな…
あいつは違うのかなぁ?
俺のこと好きだけど、俺の身体はいらない…とか?
やっぱり…俺が男だから?
あいつと同じ男だから?
銀時がプラトニックラブを貫くというのなら、俺だってそれに従おうと思う。
だけどよ…銀時のこと、疑ってる訳じゃあねぇけどよ……信じてる、けどよ…
あいつだって男だし。
色欲も人並み以上にありそうなツラ(というか表情?)してやがるしよ…溜まるもんは溜まるだろうし…
俺を抱かない代わりに…
女を抱いたりしてんじゃねぇかって…ふと……思っちまったりして…
そんな訳ねぇって思う気持ちと…そんなの分かんねぇって思ってしまう気持ちと……
俺の中で感情が入り乱れて、最近ふとした時に辛くなっちまうんだ。
でも、でもよ…
やっぱり俺は、お前を信じようと思うんだ。
だって俺…
―――どうしたって銀時のこと、好きだからさ
、