短編

□きみはペット
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はぁ・・・


今日も仕事疲れた。


やっと家でゆっくり休めるか。



「ただいまー」



一人暮らしなのに、ただいまって言う私


本当になさけないよね。


これも疲れのせいか。


ペットとか、飼ったらいいかもしれない。



犬がいいなー

と思ってて、ソファに座っていたらいきなり



ドンドン!



と音が響いた。



いったい誰なんだろう。






「麻衣さーーん!!」

「で、出来瑠・・・さん?」



ドアを開けたら目の前にいたのは、今働いてる会社の社長の娘さんの秘書。


なんか焦ってるみたい。



「ごめんなさい、急に!」

「どうしました?」

「あのね、お嬢様はですね、また海外へ行きました!」

「そうなんだ。どうして一緒に行かなかったの?」

「お嬢様は、一人で行きたいって」

「へー」

「ですから!今、私・・・」

「フリーター?」

「そうなんです!しかも住む場所もないですよ!」



そんなこと軽く言うなよ。


そして、なんだか嫌な予感・・・



「ということは・・・」

「麻衣さんなら助けてくれると思いましてここに来ました!!」



やっぱりか。



「ごめん、それは無理」

「なんでもしますから!!」

「ダメ、帰ってください」

「なんでですかあああああ!!」

「私、一人が好きなの」

「寂しくないですかぁぁ!!」

「・・・確かにちょっと寂しいけど・・・ちょっとね?実は最近犬飼いたいなと思って」

「なります!」

「え?」

「麻衣さんの犬になります!」

「どういうこと?」

「犬になったら、ここに住めるようですね!!よろしくお願いします!」

「わけわからない」



この人、頭大丈夫?



「ペットになりますよ!ペット!」

「じゃあ、私の言うことに全て従ってもらう?」

「うん!」

「本気で言ってるの?」

「はい!!」

「お座り」


どん


「お手」


ぎゅ


「吠えなさい」
「なん!」




なんでワンじゃなくてなんって言ったの・・・ダメだ。




「ぐひひひ」

「じゃあ、いいわよ。仕事探してるうちに」

「本当ですか!!ありがとうございます!!!」




いきなり抱きついてきて、床に押し倒された。




「もう、なにしてんの、どいて!」

「こういうことするじゃないですか、喜んでる犬って!」

「はい、はい、分かった。あんたは犬なんだよね。だからソファで寝なさい。」

「りょーかい!・・・じゃなくて、なん!」

「まったく・・・」







ものすごい面倒くさい犬を拾ってしまったなぁ・・・

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