短編

□ご褒美
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放課後、教室の中、私となな子だけが残っている。


なな子は私の前の席に座っていて、真剣にノートを書いている。

私はただ彼女を待っている。暇だなー。


「ねえ、ななちょ」
「何?」



なな子がこっちを向いたら、近づけるように身体を伸ばしてそっと唇を重なった。



「な、なにしてんの!!」
「いや、ちょっとちゅーしたくなった〜」
「ここ、学校だろ!ダメだよそんな…」



やばい。焦ってるなな子めっちゃかわいい。



「いいから、誰もいないじゃん」
「そ、そりゃそうだけど…誰か来たらまずいでしょ」
「誰も来てないけど」



なな子のほっぺをつんつんしてみた。



「やめてよー」
「ななちょかわいい」
「…」
「もう帰ろう?」
「いや、まだノートが…」
「じゃあ早く終わってよ」
「あっ、はい」
「いい子ね〜 後でなんかご褒美あげる」
「えーー!何、何!」
「さあーねー」


なんだかんだやる気出したみたいね。すごいスピードで書いてるし。

ななちょのこういう素直な所がホントに好き。




気付いたら、椅子から立っててガッツポーズをしていたなな子。



「できたーーー!」



だそうだ。早いわー。
なな子のやる気モード、恐るべし。




「じゃあ帰ろうね!」
「うん!」









数分後、帰り道の途中でななちょを誘ってみた。


「今日なおの家に泊まりに来ないか?」
「えぇ、いいの?」
「うん、ご褒美欲しいよね?」
「ほ、欲しいぃーー!」








家に着いたら早速階段を登って、そして部屋へ。



「で、ご褒美は何?」



私はなな子をベッドに座らせて、前に立っていて制服のブレザーゆっくり脱ぎだした。



「今夜はご飯にする ? 
 
 お風呂にする ?
 
 それとも・・・・・・
 

 なおにする?」











なな子の顔は大きなはてなマークになり、私を見つめながら黙っていた。


そして沈黙の中になな子のお腹からゴロゴロの音が部屋に響いた。



「と、とりあえず、ご飯お願いしま、、痛っ!!!」

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