兎耳のアイリス
□プロローグ
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鏡よ鏡よ鏡さん。
この世で一番美しいのは、だあれ？
それは、白雪姫です。
正直者の魔法の鏡は、王妃さまに答えた。
美しい白雪姫はそのせいで王妃さまに殺されそうになったけど、沢山のラッキーと優しい人々の助けで、ラストは素敵な王子様と結ばれる。
意地悪な王妃さまは罰を受けて死んでしまう。
じゃあ、
残されてひとりぼっちになった魔法の鏡は、どうなったのだろう。
王宮にある王妃さまの部屋で、ずっと誰かが来るのを待っていたのだろうか？
綺麗なお姫様には素敵な王子様が迎えに来て、悪者は退治される。そんな当たり前のストーリーが溢れかえるこの世界で、正直者でひとりぼっちの魔法の鏡のその後を知っている人は、一体どれだけいるのだろう。
鏡は鏡のままで。
いつまで、ひとりぼっちなんだろう。
その物語の結末を、誰か、教えて。
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