君との世界
□家族と涙
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――――「アキラッ!!!!」
『ッ…!?』
「……アキラ…ちゃん…?」
突然頭の中に響いた、
エースの声。
そして、全てが
蘇る。
あの、甲板での惨劇が。
――――そうだ、私はー…
『……ハッぁ……ルビ…さん…』
まだ、鉄の匂いが鼻に付く。
「何!?どうしたの!?どこか苦しい!?」
フワリと香る、ルビさんの
甘い香水の香り、そして―…
甘い、【血の香り】。
―――…私は、鬼(バケモノ)だ。
血の香りに
自我が保てなくなりそうになる。
『……ッッ!!』
「アキラちゃん!?!?」
そして、思い切り
自分の腕に噛み付いた。
――誰かを傷付けるくらいなら、
私が傷付けばいい。