君との世界

□家族と涙
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――「貴方は、鬼の血を濃く引いてしまったのね。」


………だれ?


――「その印が、その証拠。」


………印?


――「あと数年、鬼の暴走を
止めるための封印。
今の記憶も消す。ごめんね。アキラ」



…………私の名前ー…??




目を覚ますと
ベッドの上。


『………ッ!!!』


肩や、顔に激痛が走る。
触ってみれば、包帯でグルグルと
巻かれていた。


「アキラちゃん!!!」

『…ルビ…さん…。』

泣き出しそうな顔で
駆け寄ってきてくれた。


「ごめんなさい……ッ!!
私を庇ったせいで、こんな目にッ……!!」


……庇った。私、何してたんだっけ。

「…?アキラちゃん…??」



―――「…ごめんね。アキラ」


大丈夫?と手を差し延べてくれた
ルビさんと、何か記憶の様な物が
リンクする。


『………ッ。』

「!?どこか痛いの!?」


頭をおさえていると
痛み止めの薬……と、
ゴソゴソと部屋をあさり始める
ルビさん。


「あ!あったわ、アキラちゃん!……ッいた!」


あーあ、やっちゃった…と
指を押えているルビさん。

すると、部屋の中に
鉄のような匂いが充満した。


―――ドクッ、ドクッ


スっと、押さえていた手を
離すとルビさんの指に
プクりと赤い雫が乗っている。



―――血ダ。


「紙で切っちゃったみたい…。??アキラちゃん??」

『血、血、…う、ウァァアァァアッ!!』


「!?アキラちゃん!?やめて!!落ち着いてッ!!!!」


――血が、欲しい
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