君との世界

□クスリ
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エースside


いつもの昼寝が終わり
俺は、甲板へ向かった。


あー雪積もってんなー。
皆、雪掻きがんばってんなー。
でも、俺も手伝うっつったら皆
船が燃えるからって、やらしてくれない。だから、すげー暇。



なんか、する事ねぇかなー。と
甲板を見渡すと、アキラの姿。
座り込み、息を切らしながら
クルーと話している。


笑ってはいるが、
その笑顔は、無理に作られた物だと
一瞬で分かった。


しばらく見ていると、
アキラが、狂った様に
ポケットの中を漁っている。
そして、何やら錠剤のような物を
何粒か口に放り込んでいた。


「お前、今何飲んだんだよ。」


息を切らしながら、
アキラが俺を見上げた。

その目は、少し虚ろでー…

「顔、辛そうだ」


そう言って、頬に手を伸ばそうとした。


その時突然
口元に手をやったアキラ。
だが間に合わず、辺りには
吐瀉物が広がる。


「!!?おい、アキラ!!」


俺よりずっと小さい体を
抱え、軽く体を揺すり
名前を呼ぶ。


「医者を!!ナースを呼んでこい!!!」

「は、はい!!」


名前を呼び続ける。
だが、アキラはフッと
意識を失った。
体から嫌な汗がふきでる。
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