君との世界

□クスリ
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――…




―痛い、いたい、イタイ



頭が割れそうに痛い。
薬を飲んで何時間たった?
もう結構経ったはずだ。


リリアさんに貰った薬は
即効性もあり、尚且つ
薬としては当然の、いやそれ以上の
効き目があるものだった筈なのに。


『ハァッ、ハァッ……。』

「ん?ギャハハ!!アキラ、おめー
発情期かよ!」

「アキラに、発情される奴も可哀想だな。」


雪かき最中、思わず
座り込み息が乱れてしまった。


『…ッ、うる…さーい…ハァッ。
でも、まぁ、そんな、とこ…』


皆に、迷惑はかけたくないと
笑顔で振舞う。


――薬、薬…。確か、ポケットに
まだ入っていたはず…。


無我夢中で、その痛みから
解放されたくて
ポケットに入っていた頭痛薬を
一気に口に放り込んだ。


『…ハァ、ァ…ァア…』


「お前、いま何飲んだんだよ。」


顔をあげれば、エースが居た。


「顔、辛そうだ。」

スッと頬に手をやろうと
エースが手を差し出した。


――ドクッ…


『…ッ!!ウ゛ッ…!!!ゲホッ…!!!』

「!!?アキラ!!」


突然襲いかかる吐き気に
耐えきれず、吐瀉物が
雪の上へと散らばった。


「医者を!!ナースを呼んでこいッ!!!」

「は、はいッ!!」


アキラ、アキラ!!
と心配そうに私の名前を呼ぶ
エースを目にして、
そのまま視界が真っ暗になった。
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