君との世界

□君の体温
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『……んー…うー…どこ…』


パチリと目を覚ますと
見慣れない天井。
暖かな布団の中で眠っていた。

「あら、目、覚めた?」

そこに居たのは、ルビさん。
なんでルビさんが?


「隊長さん、アキラちゃんの目が覚めたわ。入っていいわよ。」


「アキラ!!!」


勢い良く部屋に
入って来たのはエース。
その表情は、心なしか
少し悲しそうで、怒ってるようにも見えた。


「…なんでお前ェ、居なくなったんだよ。」

『…?居なくなった?』


うまく、頭が回らない。


「…俺と寝るの嫌なら、素直にそう言えばいいだろ!」

………………げ。
バレた。バレたか。
もうバレたのか。

『は!?嫌じゃないし!』

「じゃあ何で甲板なんかで
寝たんだよ!!」

『エースが、嫌そうな、気まずそうな顔するからじゃん!!』

「はぁ!?嫌じゃねぇよ!!」

『ほらね!やっぱり嫌なんじゃ………え?』


あ。と、エースが少し恥ずかしそうに顔をそらした。

その2人を見て、クスクスと
笑いながらルビは部屋を出た。

『…………』

「…………心配したんだぞ。
皆。甲板でお前が倒れてたから。」

『…うん、ごめんなさい。』

「…今日からは、ちゃんと部屋で寝ろよ。」


そう言って、エースは
私を抱きしめた。

『!?!?エ、エエエエース?』

一気に熱くなる体。

「良かった。ちゃんと温かい。」

『……生きてますヨ。』

「死んだら許さねー。」


そして、エースの体温を
感じたまま、またその腕の中で
眠りに落ちた。


――(余りにも、君の体温が
心地よくて。)
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