君との世界

□意外な才能
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『…やー、にしても
本当暇だな。』



そして、私はなんとなく
考え付いた言葉を
歌にしてみた。



――広い海

蒼くきらめく 宝石のような世界

その世界で暮らせる海の子よ

舞い散り 踊れ 海の上

その先にあるのは また1つの

平和と 希望の光



『…、あ〜、あ〜。
声が出づらくなってるなー。
声楽サボってたもんなー。
組み手より、歌の方練習しよ。』


――ん?


ブツブツと、1人呟いていて
気付かなかったが、先程まで
ギャーギャー騒いでいた皆が
シーンと静まり返って
コチラを見ていた。


『え、なになになに。
怖い怖い怖い。』


「……アキラ…お前…
歌上手いねぃ。


マルコが、驚いた顔をしながら
近付いてきた。


『あー、うん。
一応、声楽やってたから…。
上手くはないけど、音楽好きだから、
出来るんだぁ!
ピアノも出来るよ!!』


「…お前、ほんと……
や、なんでもねーよい。」


『えーー!?なに!?
気になるじゃん!!


「なんでもねーよい。
おら、お前ももっと食え。」


そう言って、騒ぐアキラの口に
持っていたサンドイッチを
押し込んだ。


―「(…言えるかよい。皆がお前の透き通る歌声に、聞き惚れてたなんて。)」
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