7の月、君が降ってきた
□第6話
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最近、玲子と一緒に行動することが少なくなってきた。
元カレの親友から何か情報を得られないかって、言い出して…
そのせいで私は何の目的で動いているのかよく分からなくなってきている。
「お前、しつこいな…ホント」
「…そうだよね」
散々冷たくあしらわれて、それでも健気にこうやって声を掛け続けてる自分がアホみたいに思えてくる。
玲子、居ないと寂しいよ…。
「変なの」
「………何が」
「いつも…お前、楽しそうに俺に近づいてくるじゃん。何か企んでるような、悪戯する前のガキみたいな顔してさ」
「…私、そんな顔してた?」
「してた」
にやりと微笑まれた。
そうか…私、楽しそうだったんだ。
でも確かに…
今までずっとバイオリン漬けだったからこんなこと、刺激があって楽しかったかもしれない。
でもそれも玲子のため、って思えたから出来たこと。
あの子居ないと何かノリ切れないって言うか…
「…もう帰ろうかな」
「そ。やっと静かになるわ」
「止めてくれないんだね」
「何で俺が止めなきゃなんねーの」
しれっとした顔で一成は黒板に目を向け、ノートを取っていた。
私はもっと寂しくなって、その場を後にする…。
あーあ、玲子。
どこ行ってなにしてんの?
「幽霊もケータイ、持ってらいいのに」
「…………。」
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