短編

□言えない言葉
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「遥…!」
「あれ?貴音どうしたの?」

頑張れ…私…!

「あの…その…えっと…」
「そうだ!僕も貴音に用があったんだ」
「えっ…?」

ちょ…こいつ…私の頑張りを…

「駅前に美味しいスイーツ屋さんができたらしいんだ!一緒に行こう」

た、食べ物かよ…私って報われないのね…
まぁ…遥だからいいか

「遥のおごりなら行くよ」
「僕のおごり?まぁいいよ」
「じゃあ行こっ!」
「あ、待ってよ」

また言えばいいか
時間はまだあるしね…



懐かしい…
結局言えなかったんだよね…

今なら言えるかな…?
あの時言えなかった言葉を

「エネ」
『はい?どうしました?ご主人』
「俺これからあそこに行くけどついてくるか?」
『…当たり前じゃないですか!行きますよ』
「じゃあ携帯に移れ」

私は急いで携帯に移る
電子だからこんな簡単だ

あそこに居るかな…?
コノハは?


「ちーす…」
「あ、シンタローさん」
「来てすぐ悪いけど
 買い物についてきて」
「はっ!?何で?」
「女子達がちょっとお出かけしたから僕達が買い物に行けって…」
『ご主人、行ったほうがいいですよ』
「はぁ…わかったよ。ん?コノハは?」
「寝てるんっすよ…」

コノハが寝てる…?

『ご主人私は置いていってください』
「我が儘すぎだろ…」
「それかエネちゃん僕の携帯に移る?」
『はい!』

ご主人の携帯からカノさんの携帯に移る

「どこに置いたらいい?」
『じゃあソファーのとこに』
「了解」

携帯をソファーのとこに置いてもらった
ソファーには予想通りコノハが
寝ていた

「じゃあシンタロー君行こうか」
「おじさん早いよ」
「早く行くっす」

四人は買い物に出かけて行った
コノハはぐっすり寝ている

『…私も寝よう』

『貴音…』

『えっ…?』
「スー…スー…」
『空耳ですか…』

貴方はコノハだけど遥に似てるね…

今なら言えるよね…

『大好き…です』



end.

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