小説 (大人向)

□架空体験
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架空経験(4)

たった一瞬の囁きと幻影でもう限界まで高まり一目で姿を変えたとわかる自身に英二は恐る恐る手を差し伸ばす。

自分の躯の一部に触れるだけなのに酷い罪悪感と羞恥心に捕らわれる。


「…ぅんっ!」


パジャマのズボンの上から掠る程度に掌が触れただけなのにビクンと腰が引け、首筋まで一瞬で柔く快楽の波が駆け上がった。

「不二が…不二がわるい…、んだから…な…っ」

心に沸き上がる罪悪感を誤魔化すために、恋人の…俺の躯の隅々までを開拓した不二のせいにした。

だって
だって…


「俺を独りに…、一人ぼっちにするか…らっ」


握り締めていた汗ばんだ掌よりも
瞬間触れていたものの方が熱かった。

英二はもう一度確認するように自分の熱にゆるゆると触れる…。

「んっ!」

今度はシッカリとパジャマとトランクスの生地越しに自分の熱を掌で感じるほどやわく、震えながら包み込んだ。

まだ擦りあげてもいないのに先を想像するだけでゾクゾクと背筋が震えた。

ゆっくりと根元まで掌を下げてみる。



不二を思い出しながら……。



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