clap novel
□robbery・・・?
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『robbery・・・?』A.ver
ブラウン管の向こうに君を見た。
嬉しそうに会見をして。
そのドレスは大切な日の為作られたものなのだろう。
「そうか…決めたんだな」
共に歩む相手を。
俺ではない、誰かを。
「アスランさん!コーヒーいれてきましたよ」
「アスランさん?」
そっと画面を撫でてみる。
触るなとでも言うように小さな静電気がバチリと指を弾いた。
喉の奥が、ひどく熱い。
「…悲しいんですか?」
いつの間にか隣にいた赤い髪の少女が尋ねた。
少女の存在に気付かないほど画面へ心を奪われていた自分に苦笑し、少女の問いに答えた。
「…悲しくなんてないよ」
「でも!」
久しぶりに見た君の幸福な笑顔。
俺が憧れた、太陽のような・・・。
「嬉しいんだよ」
君が幸せになる。
それ以上に嬉しい事なんてあるだろうか。
君の幸せが俺の幸せ。
そう、嬉しいんだよ…
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