文*跳
□見てんじゃねーよ。
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朝、教室に入ってすぐ。
授業中。
休み時間。
放課後。
やたらと、視線を感じる。
敵意でも、殺意でもない。
なんなんだ、振り向けば絶対にその先にはあいつ。
なんであの馬鹿はこっちを見てんだ。
また見てる。
「見てんじゃねーよ。」
いい加減にやめろ。
そう思って言ったのに、この馬鹿は間抜け面してとまってやがる。
なんなんだよ。
「なんでてめぇはこっち見てんだよ。なんか用があんのか?ハッキリ言え野球バカ」
「…へ?いや、獄寺がこっち見てんじゃねーの?」
…何言ってんだこいつ。
ふざけんな。
「ボケてんじゃねーよ。てめぇの視線が気持ち悪くて仕方ねー、何もねぇならやめろ」
一回舌打ちして、席に帰る。
それでも、まだ見てる。
あいつの視線がつらい。
苦しくなるんだ。
顔が、熱い。
こっち、見てんじゃねーよ馬鹿。
こんなの忘れる!
決心して寝ようとすると、消えた視線。
なんだよ…バァァカ。
end.