ソウルイーター

□プロローグ
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タッタッタッ


一人の少年が夜の路地裏を走る。


その数十メートル先には黒ずくめの男が必死の形相で、少年から逃げている。


少年からは、男の姿はよく見えない。


「…よし、ここを曲がれば…」


『逃げ切れると思ってんの?』


男が角を曲がり、
呟こうとした言葉を遥か後ろにいた筈の少年が遮り、男の前に立ちはだかった。


少年は、ニヤリと笑うと、その腕がみるみる内に切れ味の良さそうな刀に形を変えていく。



「なっ…!!」


『あんたの魂、有り難く頂くよ』


少年は、刀になった腕で男を真っ二つに切った。

男はの体は跡形もなく消え、男がいたはずの空間には一つの光る丸いものが静かに浮いていた。


少年は、満面の笑みで笑う。


丸いものは、少年の体に吸い込まれるようにして消えた。
少年の腕は、いつのまにか元に戻っていた。









月明かりにより、薄暗くなった路地裏には、少年が立っている。




遠くで獣のような咆哮が鳴り響いていた。








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