□感謝します!
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「……悪かった」

「何が…?」

「約束、破っちまって」

「別に気にしてへんよ?」


漸くこちらを見た忍足は笑顔を貼り付けていた。
下手くそな笑顔を。


「嘘吐け。お前のことだ、色々プラン練ってたろ」

「そ、れは…」


作り笑いも下手くそだけど、嘘を吐くのも下手だよな、コイツ。

念入りに考えていたであろう計画を一瞬にして台無しにしてしまったことに、居た堪れない気持ちになった。


「ごめん」

「あっ、ううん!気にせんといてや?むっちゃ平気やから!」

「けど…」

「みんなも祝いたがっとったし、景ちゃんも楽しそうやったし。俺はそれだけで大満足や」


一生懸命弁明する忍足が急に愛おしくなり、頬にそっと左手を添えた。
すると途端に頬が朱に染まり、オロオロ慌てだす忍足。
益々愛おしさが増していく。

顔に添えた左手をそのまま後頭部に持って行き、自分の胸に引き寄せる。
苦しくない程度に、けれどしっかりと抱きしめた。


「は、ぇ…?け、けえちゃ…」

「ん…?」

「どないしたん?いつもと違、……んっ…」

「………」


忍足の言葉を遮って強引にその口を塞ぐ。
深い深い口づけに、お互い夢中になる。

苦しくなってきた頃を見計らい、解放してやる。
涙を溜めながらこちらを見つめる忍足から目を逸らさないまま、そっとソファーに押し倒した。



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