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□感謝します!
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料理に舌鼓を打ち、食後のデザートに手作りのバースデーケーキと堪能し(流石に蝋燭の火を吹き消すのは断った)、それぞれから誕生日プレゼントを受け取った。
「何か悪いな、俺だけこんなにして貰って」
「なーに言ってんだよ!」
「日頃の感謝を込めてのお祝いです!」
「跡部にはいっぱい世話になってるからなー」
「いつもありがとな、跡部!」
「ウス」
満面の笑みでそんな事を言われたら堪ったもんじゃない。
あの日吉までもがお礼を言うんだから余計に。
「そんな跡部に、もう一つ取っておきのプレゼント!」
「ん?まだ何かあんのか?」
「うん、ほら侑士そんなとこに突っ立ってないでこっち来て!」
「え…?」
向日と宍戸に引っ張られて俺の前まで来た忍足。
訳が分からず、ポカンとした顔をしている。
それは俺にも言えることだけど。
「俺たちは暫く消えるから、後は二人でごゆっくりー」
「ヤラシーことすんなよ?」
「バっ!ジロー!!」
「あ、後片付けはしなくていいよ」
各々が勝手に喋り、そのまま出て行ってしまった。
一体何なんだ?
今日は驚きの連続な気がしてならない。
取りあえずソファーに座って身を預け、未だにボーッとしている忍足にも声を掛けた。
「お前も座れば?」
「え、あ…、……おん」
少し間を空けてちょこんと座った忍足を見つめる。
今日は一際大人しい気がする。
まぁ無理もないか。
俺のせいなんだから。
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