□感謝します!
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「あ、来た来た!おはよー、跡部」

「おう、おはよう」


指示された通り正門に行くと、向日が出迎えてくれた。
ピョンピョンち忙しなく跳ねる向日の頭を軽く撫でながら周りを見渡す。
向日と俺以外、誰もいない。


「他の連中は?」

「えーと、取りあえず付いて来て!」

「は?って、オイ!」


有無を言わせずグイグイと腕を引っ張られながら、向日の後に付いて行く。
着いた場所は、いつも見慣れたテニス部の部室だった。


「オイ、こんなとこまで来て何かあんのか?」

「いいから中に入って!」

「ったく、何なんだ…」


いまいち意図が掴めないが、言われた通り部室の扉を開けた。

その瞬間、


『誕生日おめでとう!!』


盛大に鳴り響いたクラッカーの音と、レギュラー陣全員が声を揃えて言った言葉。
状況を把握するのに暫し時間が掛かってしまった。

そういえば今日は…


「やっぱ気づいてなかったよ、コイツ」

「今日は跡部の誕生日でしょー?」

「あ、あぁ…」

「ホーント、自分の事には無関心だよなー」

「昔は自分中心だったのによ」

「……ほっとけ」


からかうように言い寄って来る宍戸や向日、萩之介にばつの悪い顔を向ける。
けれど宍戸の言う通り、今の今まで気付かなかったのであまり強く言い返せなかった。



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